アプリを利用した無断転貸が横行

時間貸し・1日貸し・ルームシェアなど、現状防止手段なし

このところ不動産業界紙や情報サイトを賑わせているのが「民泊ビジネス」に関する話題だ。民泊とは、一般に家主が不在時の居室を旅行者に有料で宿泊させるもので、年々増加し続ける外国人観光客への宿不足や、空き家問題を解消できる策として注目されてきた。 当コラムでは今年1月に取り上げたが、弊社の商圏となる県中央~西部エリアではその需要が少ないこともあり、その後は動向をお知らせしていなかった。 しかし最近、新たな宿泊者募集の手段が生まれた。利用者(売主と買主)同士が直接取引できるフリーマーケットアプリ『メルカリ』を運営する、株式会社メルカリが今年4月から提供を開始した地域コミュニティアプリ『メルカリアッテ』(以下アッテ)だ。 アッテでは投稿・メッセージ機能を通じて自分の近所の利用者に呼びかけることができ、引っ越しの手伝いやペット預かり、不用品の引き取り手募集など、メルカリ側の定める様々なカテゴリーに応じて利用されている。 その中には「賃貸・ルームシェア」カテゴリーが存在し、そこでは旅行者に1日だけ部屋を貸す、賃料節約のためルームシェアを募集する、昼間働いている間だけ時間貸しをするなど、不動産業界の常識や従来の慣習にはない、様々な「取引」が実際に行われている。 個人間の商取引を前提とした先行サービス『メルカリ』には決済機能が実装されており、利用には本人確認が必須となっている。しかし『アッテ』はその名の通り利用者同士の呼びかけにより、対面でやり取りをすることを目的としており、決済機能や本人確認機能は存在しない。

アプリを利用した無断転貸が横行

関係省庁や不動産業界では、ネット上の不動産取引について、従来のポータルサイト(『SUUMO』『HOME’S』等)以外を利用するケースはこれまで認識しておらず、従って規制する法律も存在しないグレーゾーンと化している。なお、そのほとんどは入居者が物件オーナーに無断で転貸借をしていると思われる。 現在、民泊ビジネスの現場では「外国人が共用部で騒いでいる」、「ベランダ伝いに宿泊者が隣戸へ無断で侵入する」といった近隣トラブルが消費者センターへ多数寄せられている。同様のことが、アプリを利用した無断転貸借ビジネスが広まるにつれ頻発することは明らかだが、現状では禁止・防止する手段が存在せず、アパートオーナー・管理会社ともに後手に回ってしまっている。

アプリを利用した無断転貸が横行準


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